ヴェネチアに到着して2日目。この日は朝からあいにくの雨。そして、とてもとても寒かった。

ヴェネチアの秋は日本の冬でした

日本はこの頃(11月上旬)はまだ18度くらいあって、冬用コートを着るにはちょっと早いかなという気候でしたが、ヴェネチアは真冬! お天気には恵まれない上、立地的に風が強いことも手伝って、とにかく寒い。最高気温は12度くらい、最低気温は一桁台。「空気を抜けば小さくなるから念のため、入れていこう」とダウンジャケットを持って行って本当に良かったです。

クルマも自転車も居ない街

雨だからと籠っているわけにもいかないので、この日は軽く街歩き。ヴェネチアはクルマも自転車も島内に入ることができないので、街行く人たちはみんな徒歩(配送業の方たちは巨大な台車を引いてましたね)。なんだか不思議な光景です。

ヴェネチアの島をS字型に二分する運河、カナル・グランデに掛かるヴェネチアのシンボルとも言える橋、リアルト橋。1588年 – 1591年建築。

橋の上にはおみやげ屋さんがたくさん。

橋からはカナル・グランデが一望できます。「ああ、異国に来たんだなあ」という実感が湧く景色。あいにくのお天気ですが。

リアルト橋のすぐ近くにあるリアルト・マーケットを覗いてみたりしましたが、

あまりの悪天候のためか(?)マーケットのお店も徐々に店じまいしていく(笑)。

自然発生的な滝。

狭い路地が多くて、街全体が迷路みたい。

リアルト・マーケットのあたりを歩いていたら見つけた、対岸の巨大な手モチーフのスカルプチャー。ヴェネチア・ビエンナーレに合わせて制作されたLorenzo Quinnの新作「SUPPORT」という作品でした。

「Ca’ Sagredo Hotel」というホテルの壁面にどどん!と。

詳しくは↓

Massive Hands Emerge From Canals for Venice Biennale

To celebrate this year’s Venice Biennale, artist Lorenzo Quinn has erected a sculpture of two hands arising from the city’s famous Grand Canal. The limbs rest against the Ca’ Sagredo Hotel, dually using the walls as a support system while also appearing powerful enough to dismantle it.

暴風雨カメラ青年A氏に襲いかかる、の画。傘は意味ないんじゃないのかというくらいの風でした。そりゃ、ひっくり返るよね。そして、もう一点注目すべきは海面の高さ。この桟橋もあと数十cmで水没してしまいそうな感じ。

やがて、場所によっては水没してしまった箇所が現れはじめます……。

水の都は水に呑まれる。アクア・アルタに遭遇。

「観光名所らしいから、ちょっと行ってみようか。」くらいのノリで向かったサン・マルコ広場は、この時点でほぼ水没。ひざ下くらいまで水が来てました。

この現象は「アクア・アルタ(アックア・アルタ)」と呼ぶらしく、

この現象は主には秋から春にかけての時期に見られ、潟から外海への水の流出を防いでいる風が普段よりも強く吹くことで、潟の水量が増し、そこに満潮が重なることで発生する。この特殊な風は、アドリア海の北沿いを吹くシロッコやボーラなどの季節風が、ヴェネツィアの潟の独特な地形の影響を受けることで起こる。

アックア・アルタ

のだそう。アクア・アルタ用の渡し通路的な場所しか歩けないものだから、観光客の行列が延々とサン・マルコ広場周囲の通路へ続いていました。入ったら行列から抜けられないので要注意。

ちなみに、この臨時渡し通路は「ギャング・ウェイ(gangway)」と呼ぶらしい。

浸水の間、歩行者が通行できるようにするため、市は都市部の主な歩道を鉄の支柱と木製の厚板で作られた歩道のネットワーク(ギャングウェイ、gangway)に置き換えている。このギャングウェイ・システムは一般的に高潮の発生時に部分的もしくは完全に市街地が浸水した場合に、通常潮位から120cmの高さに設置される。

アックア・アルタ


サン・マルコ寺院の屋根の上に謎のコンテナ。

「晴れた日にまた来よう」と言いつつも、結局その後行くことはなかったサン・マルコ寺院。

どこを切り取っても画になる街だ。

アクア・アルタ用のレインブーツで水没も怖くない

ちなみに、サン・マルコ広場があるあたりは海抜が特に低いのか(?)、他の場所よりも水没してしまっている箇所が多かったです。Google Mapを頼りに歩みを進めていくと、水没した箇所に当たって通せんぼを食らうということを何度か経験し(RPGっぽくて面白かったけど)、覚悟を決めて、アクア・アルタ対策用のビニールブーツを購入しました。

これは靴の上からすっぽり被せて、履くもの。我々が購入したものは€7。街の至る所にある、土産店や雑貨屋で売っています。

市場の原理がはたらいているようで、サン・マルコ広場に近づくほど価格は上がり、遠ざかれば遠ざかるほど値段が下がります。我々がみた限り、最高値は€9。最安値は€6。色もお店によって色々。オレンジとブルーが一般的のようでしたが、ホワイトやブラック、イエローなんかも見かけました。色々と探してみると楽しいかも?

残念ながら、これを買った直後に雨は止み、水もスーッと引いて行ったのですがね……。水没するのもあっという間でしたが、水が引くのも早かった。

サン・マルコ広場近くのOsteria da Carla でランチ

この日ランチに入ったのは、サン・マルコ広場から徒歩数分のイタリアン(当たり前か)、Osteria da Carla。細い路地を抜けた先にある、こじんまりとしたお店。入り口すぐにはバカーロ利用のためのおつまみ類が並んでいました。

お店の奥の席は意外にゆったり。

ワインはもちろん地元、ヴェネト州のものを。ヨーロッパはワインが安くて私にとっては天国のよう……!

チケッティ(おつまみ)の盛り合わせもできるよ、と言われたけれど、おすすめのお料理を色々オーダーしてみました。イタリアのカジュアルなレストランは「パスタ!サラダ!どーん!!」とシンプルに盛られた大皿が出てくるイメージがあったのですが、ここは盛り付けもなかなか凝っていて、どのお料理も美味しかった。

ヴェネチアは海に囲まれているので、基本的に食材は海鮮推しです。こちらはイカのフリット。

イカ墨パスタも良く出てくるお料理のひとつ。真ん中のオムレツみたいなものは、“ポレンタ”と呼ばれるトウモロコシの粉を煮て炊いたもの。これも付け合わせのように、よく出て来ます。クスクスに似たお味。私は好き。

店員さんの感じもナイスだし、店内もかわいい。おすすめできるオステリアでした。

Osteria da Carla

Corte Contarina 1535 – 30124 San Marco – VENEZIA
Tel/Fax +39 041/5237855 041/5232061
営業時間 08:30-23:00 (日曜定休)

Osteria da Carla (ベネチア) の口コミ768件 – トリップアドバイザー

Osteria da Carla(ベネチア)に行くならトリップアドバイザーで口コミ、地図や写真を事前にチェック!Osteria da Carlaはベネチアで188位(1,478件中)、4点の評価を受けています。

Airbnbは自炊を楽しめるのが良いね

遅めのランチを楽しんで、ショッピングなどしつつ宿に戻ると、もうすっかり夕方。この日のディナーは宿の近所のスーパーで買い出しをし、お家ゴハンでプチパーティ。

調理担当が1人だとちょっと辛いけれど、今回は料理上手な女子ばかりだったので、男子たちはラッキーだったのでは……!(CATTLEYA TOKYOチームは慣れっこか……)

イタリアはサラミと生ハム、チーズ、オリーブオイルが日本と比べ物にならないくらいお手頃で、お料理が楽しい。しかし、ワインを飲みながら作業していたので、サラダにチーズをフリフリして、塩をかけ過ぎた覚えしかない……ありがとうございます。

近所のスーパーで売っていたPapaキャンドル

ヴェネチア旅行記 04は今回の旅のメインイベント、ダミアン・ハーストの新作展について、などなどが続きます。次回もお楽しみに。

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