長くなってまいりました……ヴェネチア旅行記も5本目。前回は熱が入り過ぎて「長すぎる」というお声をちらほら頂いたので(悪い癖)、今回は写真を中心に簡潔に……(なるかな)。
ヴェネチア4日目、ついに起きれなくなる
翌日は飛行機に乗らなければならなかったので、1日ゆっくり過ごせるのは最後だった4日目。ついに、半日ダウン(笑)。朝はこれまで通りAM5:00くらいに起きたものの、耐え難い眠気と身体のダルさに、少しベッドで横になったが最後、バタンキュー。
……気づいたら正午を過ぎておりました。
この日は比較的お天気にも恵まれ(とはいえ薄曇りでしたが)、気を取り直して、独りで散歩しながら、先に外出していたみんながお昼を食べに行くという場所へ向かう。
よく考えると、ヴェネチアに着いてから独りで行動するのは初めて。みんなでワイワイも好きだけれど(大人になると、大人数で集まって、なんて機会の方が減るし、ね。)独りで気ままに行動するのも、それはそれでいいものです。
この家の住人は白モノしか着ないのかな。
20分ほど歩いて、みんながランチをしていたお店に到着。海鮮パスタをオーダーしたのだけれど、全然食欲が湧かなくて店員さんに申し訳ないことをした。
ランチを終えてお店を出ると、久々の晴れ間が。陽の光に照らされて見慣れてきた街並みの色彩が、より鮮やかに見えてくる。
フォンダツィオーネ・プラダ(Fondazione Prada)「THE BOAT IS LEAKING. THE CAPTAIN LIED.」
ヴェネチア2日目に行ったら休館日で入れなかった、フォンダツィオーネ・プラダへ。
撮影が禁止だったので写真が残念ながら一枚もないのですが、ここではアーティストのトーマス・デマンド(Thomas Demand)、映像作家のアレクサンダー・クルージュ(Alexander Kluge)、ステージ&衣装デザイナーのアンナ・ヴィエブロック(Anna Viebrock)、3名にフィーチャーした企画展「THE BOAT IS LEAKING. THE CAPTAIN LIED.」が開催されていました。
これがですね、ものすごく面白くて。アンナ・ヴィエブロックが手がけるエキセントリックな舞台装置(しかも半分解体されたようなかたちで)が会場全体をジャックするように配置されていて、そこにに溶け込むようにアレクサンダー・クルージュの映像作品やインスタレーション、トーマス・デマンドの写真が展示されているという。会場内はまるで迷路のようになっていて、入ってはいけない舞台の裏側をこっそり歩き回っているような錯覚に。
ここまで足を運んだヴェネチアの現代美術館全てに通じるけれども、歴史ある建物と作品がオーバーラップしたときの鮮烈な違和感がずるい。
Fondazione Prada
Ca’ Corner della Regina, Calle de Ca’ Corner, Santa Croce 2215, 30135 Venezia, Italy
Tel: +39 041 810 9161
営業時間:10:00-18:00(火曜日定休)
陽の入らないプラダ財団を出て、外に出るとますますお天気が良くなっていました。お土産やさんが軒を連ねるリアルト橋周辺。
カナル・グランデの水面に映る光が眩しい……。
ヴェネチアといえば!というイメージがあったゴンドラも、ここまでは運行しているのを一度も見かけなかったのですが、それはお天気のせいだったようで。ボーダーの服を着たゴンドラの船頭さんの姿が、街にも運河にもちらほらと。
パラッツォ・フォルチュニィ「INTUITION」
その後、パラッツォ・フォルチュニィ(Palazzo Fortuny)へ。ファッション史を勉強したことがある方ならご存知でしょう、1910年代初頭プリーツを全面に施したデルフォス・ドレスなどを生み出したスペイン人デザイナー、マリアノ・フォルチュニィ− −ここは名前の通り、彼が所有していた建物です。「ファッション好きなら見逃せない!」とLonely Planetに書いてあったので、気になっていた場所。
結果的にフォルチュニィの作品が展示されているわけでもなく、とくにファッション的な要素はなかったわけなのですが(笑)、この時は「INTUITION」という企画展が開催されていました。
私はあまりアートに詳しいわけではないのですが、
ベルギー拠点のアンティークディーラー、アクセル・フェルフォールトが中心となってキュレートする大好評シリーズ展の第6弾。「イントゥイーション」をテーマに直感、夢、テレパシー、瞑想など言葉にできない世界を、新石器時代のメンヒルからスタートし、多数の近現代アーティストの作品によって綴る。フォルトゥニー館に宿る神秘的な雰囲気との相乗効果で、すっかりその世界の住人に。
ヴェネチアがアート一色に! 見るべきはこの展示です。 – Casa BRUTUS カーサブルータス
ということらしい。
バスキアから始まり、古代の石碑のような石の彫刻が飾られた、地下空間のような重々しい空間が広がっているかと思うと、貴族のリビングルームのような空間にはアーニッシュ・カプーアやサイ・トゥ・オンブリー、杉本 博司など、私も知っているアーティストの作品がちらほら。
この建物自体ものすごく古そうだったのですが、元々住居だったということもあってか、空間の作りのヴァリエーションの面白さと、調度品なのか、持ち込んだのか、ソファーや書棚、ベッドやテーブルなどのファニチャーなどがそこかしこに置いてあり、会場を歩き回っていると、アンティークショップに飾られたアート作品を眺めている、そんな不思議な感覚に陥る展覧会でした。
パラッツォ・フォルチュニィ(Palazzo Fortuny)
S. Marco, 3958, 30124 Venezia VE, Italy
Tel: +39 041 520 0995
営業時間: 10:00 – 18:00
ジェラート屋さんは色々なところにありましたね。
わんこ。
最後の晩餐
最後の夕飯は宿近くにあったトラットリア「TRATTORI DA MIMMO」で。観光客向けなのか、手頃なセットメニューがあって、入りやすいお店でした。日本語が出来る店員さんも。
また、海鮮スープを食べました。お魚の大胆な輪切りっぷりがイイですね。
TRATTORIA DA MIMO
Rio Terà S. Leonardo, 1372, 30121 Venezia, Italy
Tel: +39 041 718015
営業時間: 12:00 – 22:00
トラットリア ダ ミンモ (ベネチア) の口コミ713件 – トリップアドバイザー
トラットリア ダ ミンモ(ベネチア)に行くならトリップアドバイザーで口コミ、地図や写真を事前にチェック!トラットリア ダ ミンモはベネチアで209位(1,479件中)、4点の評価を受けています。
澄んだ空気と星空
ヴェネチアはクルマがいないこともあって、とても空気が綺麗。最後の夜はほぼ空に雲ひとつない快晴だったので、(ようやく)美しい星空を見ることができました。深夜の1、2時が1番綺麗に見える時間帯らしいのですが、そこまで起きていられなかったので、0時すぎくらいの星空です。
肉眼で流れ星を確認できたのは、学生時代に北海道の網走へ遊びに行ったとき以来かもしれない。
短いですがタイムラプスも撮ってみた。
最終日、早起きしてムラーノ島へ……向かったはずが
ヴェネチアングラスで有名なムラーノ島と、カラフルな街並みがフォトジェニックだと訊いていたブラーノ島。ブラーノ島はヴェネチア本島から思っていたよりも距離があったので時間がなく諦めたのですが、「ムラーノ島なら2時間くらいあれば行って帰ってこれるのでは?」ということで、最終日は(も)早起きして、ムラーノ島へ向かいました。
ムラーノ島へはヴェネチア本島から水上バスで10-30分(乗る場所によって異なる)。まずは宿から1番近い、ムラーノ島行きの水上バスが出ているフォンダメンタ・ヌオーヴェ(F.te Nove)へ。ヴェネチア本島の北東はじっこにあります。ここからだとムラーノ島は目と鼻の先。10分ほどで到着するそう。
この日は朝からお天気に恵まれ、朝日が差し込む街並みの美しさを改めて感じました。
このあたりは観光客が少なく、道は学校や仕事へ向かうひとたちが多かった。
街を抜け、海岸へ。これまでは運河ばかり見ていたけれど、海岸は開放的な景色が広がっていて、朝散歩には最高でした。石畳の地面を照らす朝日、最高か。
海岸線を歩いて行くと、水上バス乗り場のフォンダメンタ・ノーヴェに到着。
……ところが、ヴァポレット(水上バス)のチケッティング会社の人たちがストライキをやっていまして、船は運行しているのにチケットが買えないという事態。すぐそばにチケットの自販機があったので、使ってみたら、お金だけ取られてしまって結局チケットが買えず、ムラーノ島には行けなかったのでした(涙)。
海外に行くとよくストに遭遇するなあ……。改めて調べてみたところ、2017年11月9,10日はイタリア全土でストが行われていたようです(この日は11月10日)。
向こうに見えるのは、サン・ミケーレ島。埋め立てて作った島がまるまる墓地になっているという、その奥がムラーノ島です。近いようで、遠かった(笑)。
気を取り直して、散歩しながら宿に戻る。
街を歩いていると、ドアにピンクのリボン飾りが付いているお家が。どうやらイタリアでは子ども生まれると、ドアにリボン飾りを掛ける習慣があるらしい。女の子の場合はピンク、男の子場合はブルーなんだそうな。
さよならヴェネチア
チェックアウトを済ませて、いよいよべヴェネチアの街ともお別れ。空港行きのバス停に向かって歩いていると、子ども達の行列がいくつも続いていました。みんな鍋みたいな金属のものの底をカンカン叩きながら歩いていたのだけれど、なんだろうな?
写真をやたらと撮った(笑)サンタ・ルチア駅ともこれでお別れ。
駅前の広場、お天気が良いとこんなに気持ちのよい場所だったとは。
駅を通り過ぎて、近代的な外観のコスティトゥツィオーネ橋を超えると、そこはバスターミナル。
ちなみに、このコスティトゥツィオーネ橋より手前(上の地図で言うと上側)がクルマと自転車の侵入禁止エリア。
バスターミナルで約1週間ぶりに見るクルマたち。
空港行きのバスは2社運行しているようなので、お間違いなく。チケットは€8。
最後にお世話になったみんなで記念撮影。後ろに見えるのがコスティトゥツィオーネ橋です。
再び空港へ
Arrivalじゃないけどね。
ここで5日間を共にしたみんなとはお別れ。
帰りの飛行機は行きと同様にドーハ経由の羽田便、カタール航空です。ドーハでのトランジットは約6時間。「ドーハのラウンジが凄すぎる」という評判を耳にして、それを楽しむためにあえてこの旅程を選んだのですが、確かに6時間くらい無いと楽しみきれないサイズ感の空港&ラウンジでした(笑)。往路は通り過ぎただけだったしね。
そのドーハの空港については、また次回。